白井京月の読書ノート

2009年から2014年の読書メモ

ビーグル号の3人

ビーグル号の3人―艦長とダーウィンと地の果ての少年

ビーグル号の3人―艦長とダーウィンと地の果ての少年

1831年。イギリスの海軍調査船ビーグル号は、若きダーウィンを乗せて出航する。この本の主人公は、ダーウィンと、艦長ロバート。フィッロイ、そして、ティエラ・デル・フエゴ(南アメリカ南東部に諸島)から連れ帰ったインディアの少年ジェミーの3人だ。
ヴィクトリア時代にあり、大英帝国産業革命により繁栄し、世界にその勢力を伸ばしていたこの時代。それは、イギリスにおける、経済、社会、思想、文化の大変革期であった。その後、ダーウィンの「進化論」がイギリス社会に大論争を巻き起こす。
本書は、私が一番にお薦めするノンフィクションだ。

目次
 1.事の起こりからとりあえずの結末まで
 2.真の事件の幕開けから終末まで
 3.ジェミー・バトン裁判
 4.この物語の真の結末
 5.ダーウィンは生きのびた

大変化の時代。それは現代に通じるものがある。文化と文化の摩擦や対立。経済的利害。信仰や思想。本書が現代の参考になるかどうかは別として、歴史を知るということは重要だ。単に事件や年号を覚えるのではなく。