白井京月の読書ノート

2009年から2014年の読書メモ

プロジェクト・マネジメント・プリンシプル

プロジェクトマネジメント プリンシプル - 変革の時代を生き抜くための人と組織の挑戦 [原書名:The Principles of Project Management]

プロジェクトマネジメント プリンシプル - 変革の時代を生き抜くための人と組織の挑戦 [原書名:The Principles of Project Management]

私は、90年代にIT関係の仕事をしていた。そのうち、3年程はプロジェクト・マネージメントを専門にやっていたように記憶している。当時は、ジェームズ・マーチンの「RAD」(高速アプリケーション開発)に洗脳されて、彼の来日講演を聞きに行ったりもした。
さて、本書の原題は"The Princeples of Project Management"であり、サブタイトルは「変革の時代を生き抜くための人と組織の挑戦」だ。IT系の人にとっては常識だろうが、本書はPMI編、PMI東京支部漢訳であり、当然ながらPMBOKの流れを汲んでいる国際標準なのだ。
より簡単なプロジェクト・マネージメントの本としては、中島秀隆氏の「PM プロジェクト・マネージメント」があるが、現在流通している改訂版よりも、最初の版の方が私は好きである。これは名著だと思うのだが、人に貸したまま帰って来ない。「良書は旅をする」と言い聞かせるしかないだろう。
本書の概略は、以下の通りとなっている。

 第1部 プロジェクトの組織化
 第2部 プロジェクト・マネジャーの役割と責任
 第3部 プロジェクトのチーム形成
 第4部 コンフリクト・マネジメント
 第5部 交渉と契約
 第6部 契約マネジメント
 第7部 時間とストレスのマネジメント
 第8部 プロジェクトマネジメントと組織開発

難解な図書かもしれないが、マネージャー以上であれば最低限通読しておくべき本だと思う。そうでなければ、その会社は潰れるとまでは行かなくとも勝てる見込みは無い。まあ、大企業の場合は・・・かもしれないが。
もちろん、本書はIT系企業や、IT部門のためだけの本ではない。あらゆる組織に共通する必読書、教科書だと言えよう。