白井京月の読書ノート

2009年から2014年の読書メモ

経済学者・小島寛之

サイバー経済学 (集英社新書)

サイバー経済学 (集英社新書)

本書が出版されたのは、2001年の10月だ。もう、7年以上前なのか、まだ7年しか経っていないのか。もちろん、私は発売されてすぐにこの本を読んだ。では、なぜ今頃になって書評をと思われるかもしれない。そう、私には新しい本だけについての書評を書くつもりは毛頭ないのである。そうではなく、私がお勧めする本について、とりあえず1日1冊を目途に、まずは100冊程度を書きたいのだ。分野は今後、どんどんと増えるだろう。

さて、筆者の小島寛之氏は今では超売れっ子であり、もう皆さんご存じのことだと思う。特に、「容疑者ケインズ」は評判だったようだ。(私は読んでいない。すいません。)今回紹介する「サイバー経済学」は、ベイズ推定や、ブラック=ショールズ公式に言及しているものの、基本的には「経済学エッセイ」だ。特に、経済学や数学を知らない人でも、わかりやすく読むことが出来る。とは言え、私はこの本を読んだとき、私はこんな事も知らなかったのかと、愕然とした気分になった。そして、一気に経済学研究に突き進むきっかけを与えてくれた。また、本書からは小島氏の「心」、経済学に対する「思い」がひしひしと伝わってくる。なお、「サイバー経済」は小島氏の造語である。21世紀がサイバー経済の世紀となることは間違いあるまい。
7年も前の本ではあるが、サイバー経済の入門書としては、この一冊をまずお勧めする。

あ、書評というには短すぎますか?